~相続~
Q:子の死亡で相続人が親だけの場合、相続手続きは必要?
A:はい、必要です。第一順位の相続人たる子なき場合、第二順位の直系尊属が相続人となり、相続手続きが必要です。
Q:養子が死亡した場合、実父母には相続権はない?
A:特別養子縁組でない限り、実父母にも相続権はあります。
Q:内縁関係は、長期に渡れば相続権が発生する?
A: あくまで内縁関係であり、血縁関係ではない為相続権は発生しません。
Q:死亡後20年経過すると、亡くなった人の財産は同居していた人の所有となる?
A: 相続に時効取得のような制度はありません。手続きが必要です。
Q:連れ子は相続人になれる?
A: 養子縁組をしない限り相続人にはなれません。
Q:相続人はどのように特定するの?
A: 遺言者の出生からの戸籍謄本を取得し、相続関係図を作成します。
Q:遺産分割協議がまとまらないときは?
A: 家庭裁判所にて調停で決着をつけることになるでしょう。調停とは解決に向けた話し合いのようなものです。
「私はもめるほどの大した財産はない」とおっしゃる方が多いのですが、相続財産が少なくてももめます。相続人が多ければ多いほど、それに比例してもめる可能性も高くなるでしょう。
一度こじれると長期化するパターンが多く、精神的にも金銭的にも疲弊します。そのような場合、「遺言書があればよかったのに」と思われる方も多くいらっしゃいます。残された親族のためにも、やはり遺言書は必要不可欠です。
Q:相続税の納付は現金一括払い?
A: 基本は金融機関の窓口で現金一括払いとなりますが、最近はクレジットカードでの納付も可能になったそうです。詳細は国税庁のホームページをご参照ください。
~遺言~
Q:夫婦連名で同じ内容の遺言書を作ることはできるの?
A:夫婦連名で同じ内容の遺言書を作ることはできません。各々が遺言書を作成する必要があります。
Q:公正証書遺言であれば、公証役場が無料で遺言執行をしてくれる?
A: 公証役場で無料で遺言執行することはありません。遺言書に遺言執行者の定めがない場合は相続人全員で遺言執行をしなければなりません。
Q:遺言者死亡後に、相続人のみで遺言執行者を決めることはできる?
A: 遺言書に遺言執行者の指定があれば、その人が遺言執行者となり、相続人全員の代理人とみなされます。指定なき場合は、相続手続きの一切を相続人全員が行うことになります。
Q:遺言書が2通ある場合、どちらが優先されるの?
A: 日付が新しい遺言書が優先されます。自筆証書遺言か公正証書遺言かどうかは関係ありません。
Q:遺言は縁起が悪いので、遺言書を書く気が乗らないのですが・・・
A: そもそも遺言を残す目的とは、ご自身の死後に遺言の内容を速やかに実行することです。 遺言の内容はご自身で考えるのですが、そのために頭の中で考えていたことを文書に書き記す(=アウトプットする)ことは一つの爽快感にもつながります。 今までの人生や残された家族のこと、財産など振り返ってみるいい機会だと思います。 現実から目を背けずに真正面から取り組むことにより、今まで以上に前向きに生きることができるのではないでしょうか。 ぜひご検討ください。
Q:「予備的遺言」とは何ですか?
A:遺言者よりも先に相続人が死亡した時の備えです。
<例> 第○条 遺言者は、前記○○が遺言者に先立って死亡し、又は遺言者と同時に死亡したときは、第○条により同人に相続させるとした財産を、■■(昭和○○年○月○日生、住所・○)に遺贈する。
Q:「付言事項」とはなんですか?
A:遺言書の中の遺言者の思いを伝える項目です。例えば法定相続分出ない分け方をした場合、なぜそのような分け方をしたのかを記したり、その他、家族への思いを残したりします。法的拘束力はありませんが、遺産分割の争いを予防する効果が期待できます。
Q:遺言を残したら財産は使えなくなるの?
A: 遺言とはそもそもご自身の死後に効力が発生するものです。 遺言書を作成した時から効力が発生するものではありませんのでご注意ください。 ですので、遺言書を残した後でも自由に財産を使うことができます。
Q:経営する会社の財産の処分を遺言書で指定することはできる?
A: 遺言で処分の指定ができる財産は、遺言者個人の財産のみです。会社財産などについて遺言をしても無効となります。
Q:遺言の内容が遺留分の規定に反するものでもいいの?
A: 遺言の内容が遺留分の規定に反するものであっても遺言が無効になることはありませんが、遺留分権利者から減殺請求をされた場合はこれに応じる必要があります。遺留分権利者が減殺請求をしないように付言事項などに記載することはできますが、法的拘束力は生じません。なぜこのような相続財産の配分にしたのか、理由を明記すると効果的です。
Q:複数の自筆証書遺言が発見された場合、最後の遺言書についてのみ検認の申し立てを行えばよい?
A: 発見されたすべての遺言書の検認申立てを行わなければなりません。怠った場合は過料に処せられる場合があります。
Q:遺言書には従わなければならないの?
A: 遺言書は相続財産を分配するための指示書です。法的拘束力をもちます。但し、相続人全員の合意があれば、遺言書の内容を覆すことができます。
Q:遺言の種類とメリット/デメリットは?
A: 遺言書は3種類あります。
Q:どんな人が遺言書を書くべき?
A:基本的に全ての人の書いていただきたいのですが、特に遺言書を書いてほしいと思う人について、下記にまとめました。
- お子様のいない御夫婦
- 長男の嫁に財産をあげたい
- 慈善団体に財産を寄付したい
- 障害を持つ子供がいる
- 暴力をふるう息子に相続させたくない
- 先妻との間に子供がいる
- 認知したい子どもがいる
- 相続人が多い
- 殆ど会ったことの無い甥姪がいる
- おひとりさま(相続人が誰もいない)
- 不仲の相続人がいる(その相続人の嫁が入れ知恵)
- 相続財産が土地・建物しかない (現物を法定相続分で分けるのが困難)
- 相続人がそれぞれ遠方に住んでいる(場合によっては海外に住んでいる)
1:自筆証書遺言
メリット:費用があまり掛からない デメリット:無効である場合が多い/真贋を巡ってトラブルが多い/お金をおろすのに時間が掛かる(家庭裁判所に検認の申し立てを行うため、3か月以上かかる)
2:公正証書遺言
メリット:公証役場で作成/保管するため安心 デメリット:公証人手数料が必要となる
3:秘密証書遺言
メリット:遺言内容を人に知られずに済む デメリット:そもそも遺言の存在を知られない可能性がある
秘密証書遺言はあまり使われません。基本的には自筆証書遺言か公正証書遺言のどちらかになるかと思われます。法改正により自筆証書遺言での作成を希望される方が増えるかと思いますが、遺言書の偽造など真贋を巡ってトラブルになることも多いです。その反面、公正証書遺言はコストが高いという難点もあります。行政書士リーガルプラザでは「自筆証書遺言法務局保管制度」による遺言書の作成をお勧めします。