ジュエリーの歴史とこれからの市場・産業

日本におけるジュエリーの歴史は、古くは縄文時代までさかのぼります。当時はジュエリーというよりも「装身具」という表現があてはまります。考古学上の遺跡から出土する物は様々ですが、実は装身具は武器よりも多く出土されていると言われています。これは、人間の生活の中で装身具が重要な役割を果たしていると言えます。

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装身具の起源

これら装身具の起源としては様々な説がありますが、代表的な説としては以下の通りです。

  • 呪術起源説:魔除け、お守りが変化したという説
  • ホモルーデンス説:手近にあるものを使って遊び半分に自分の身を飾ったという説
  • 自己異化説:自分という人間を人と違うように見せるために、継承したり衣服を変えたりする動作の一環として身の回りにあるものをつけたという説
  • 自己同化説:共通の者であるという確証を求め、統一性のあるものを身に着けたという説

縄文時代から古墳時代まで

縄文時代から古墳時代までは装身具の歴史があり、数々の装身具が出土され、その歴史があるのですが、古墳時代以降、飛鳥・奈良時代から明治時代初期までの約1000年以上にわたり、日本において装身具・ジュエリーに関する資料は残っておらず、空白の期間がありました。

明治以降

明治になってから金銀細工師の伝統を生かして装身具作りが始まり、戦後を経て昭和40年ごろからジュエリーの大衆化が始まったと言われています。

ジュエリー市場は主に若年層市場、ブライダル市場、新規富裕市場に大別され、その98%は女性の市場であると言えます。60年代半ばにデビアス社がダイヤモンド指輪を婚約指輪に使うキャンペーンを開始ししたのを皮切りに、70年代ごろから若年層にもジュエリーを選ぶ文化が広がりました。現代の日本のジュエリー市場は90年代初頭にかけて3兆円弱まで拡大しましたが、バブル崩壊を受けて縮小を続けています。しかしながら、多品種少量生産かつ商品の理解に知識を必要とするなど特徴的な消費財であることは確かであり、ますます選択的支出が増加する個人消費市場において、宝石或いはジュエリー市場は個人が持つ価値観の多様性や人口動態の変化などにより伸長していくものと推定されます。

まとめ

消費者の「買う喜び」「つける喜び」「美しくなる喜び」とジュエリー業界の「作る喜び」「売る喜び」が合致したとき、素晴らしい産業になると思われます。そのためにも、国際性を視野に入れた競争力と独創性のある商品の開発、世界レベルのマーケティング力と販売力が必要であると考えられます。

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