認知症発生時の備えのページ

段々と物忘れが激しくなり、遂には自分のことさえ分からなくなってしまうこともある認知症。ご近所さんや親戚で認知症を発症してしまった人がいるという方も少なくないのではないでしょうか。しかし自分自身の親や祖父母など、より身近な人が認知症になってしまった時、それなりの対応やケアをしていかなければなりません。もしも身近な家族に認知症の症状が現れ始めたら、どんな備えをしておくべきなのか、知っておいていただきたいことをご紹介していきたいと思います。

目次

認知症とは?

認知症は急にそうなるわけではなく、ゆっくりと進行していきます。家族に症状が出始めたかな?と感じることが多くなってきたり、そうなってしまう前に備えておきたいという方にしておいてもらいたいことをご紹介します。

1:自分自身のことを書き残しておく

後々、分からなくなってしまっては困る情報を残しておいてもらいましょう。名前や生年月日、家族構成などの基本的な情報はもちろんのこと、これまでに患った病気や飲んでいる薬、かかりつけ医、何かあった時に連絡して欲しい人の連絡先などを残しておくといざという時に助かります。

また将来どのように過ごしていきたいかなど、気持ちの部分でも要望を残しておくと家族は色々な判断がしやすくなります。特に余生をどのように過ごしたいかは、家族にとっては判断が難しいこともあるので本人の希望を聞いておくと選択肢を絞りやすくなります。余生を施設で過ごすのか、自宅で過ごしたいのか、施設ならどこが希望かなど、必ず実現できるかはその時の状況により変わると思いますが、本人の希望を記してもらいましょう。

家族であっても意外にも知らなかった情報があったりもするので、家族のことは何でも知っていると思わず情報を残しておいてもらうと後々役立ちます。

2:身辺整理をしておく

もし家計を管理している人や、財産を多く所有している人がそれらの重要な書類などの保管場所が分からなくなってしまうと家族も困ります。

まず資産について、預貯金や有価証券、土地などどのようなものがあるのか目録として記録してもらいましょう。また使っていない通帳は解約したり、どの印鑑が認印なのかなどを整理し、家族も分かりやすい場所に保管しておくことをおすすめします。またその際にはそれらの財産をどのように相続したいのか、方針を決めたり遺言書を作成しておくことも考えておきましょう。

ネットやSNSがシニア世代にも浸透しているこのご時世では、そういった部分での整理も必要になります。有料会員サイトに登録していたり、ネットバンクを利用している場合はそれらをどうするのか、一度整理してもらうことで後々家族が困らずに済みます。

3:早めの受診で治る場合もある

家族だからこそ分かる、「おや?」と思うことが増えてきて認知症かもしれないという疑いが出てきたら、早めに専門医にかかりましょう。認知症に似た病気であったり、早く治療することで治る認知症もあります。適切な治療や介護を受けるためにも正確な診断をしてもらう必要があるので、「大丈夫だろう」「歳だから」と思わず、違和感を感じたらすぐに病院にかかりましょう。

4:介護サービスなどの把握をしておく

介護生活となった場合には介護保険の利用ができます。自宅を介護仕様に改装したり介護サービスを受ける際には家族の負担を減らしてくれます。そういった知識がないまま自分たちだけで介護をしようとすると、かえって危険だったり経済的な負担も増えてしまいます。初めて家族の介護をするという人にとっては分からないことだらけでしょうから、介護保険について相談したい時は市区町村の役場に尋ねてみましょう。

5:経験者の声を聞き備える

ブログやSNSで介護生活の記録を残している人も多くいます。実際、家族に症状が出始めてからどのように進行していったか、どのように対応したかを体験した人のリアルな記録は、これから認知症の家族と過ごす人にとってもすごく参考になります。またそういった人達との交流があることで、孤独な介護生活を送ることによる介護疲れを避けることもでき、同じ境遇の人たちとの繋がりは大切にしておきたい部分です。家族が認知症になってしまうことを恥ずかしい、隠さなければと思う必要はありません。分からないことは介護のプロや認知症の家族がいる人たちに相談し、備えることで気持ちの余裕も生まれます。

まとめ

家族に認知症の疑いが出てきたら、正直ショックを受けてしまうこともあると思います。しかし早めの段階から適切に備えておくことで、本人にとっても家族にとっても後悔のない生活を送ることができます。財産のことや余生のことを尋ねるのは気が進まない方も多いかと思いますが、今はエンディングノートなど終活としてそういった記録を残すことも主流になってきており、縁起の悪いものではありません。そういったものをプレゼントしてみたり、一緒に記録を残してみてはいかがでしょうか。

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